イヤミス(告白 湊かなえ著)

イヤミスの代表作とされる「告白」だが…

主人公はシングルマザーの中学校教師
4歳になる娘が学校のプールで転落死

 

「しかし、娘の死は事故ではなかった。生徒に殺されたのだ。」

 

犯人の生徒への復讐劇が始まる。。。

 

イヤミスの代表作ともされる「告白(湊かなえ著)」です。
決してハッピーエンドではありません。

 

ただ、私は不思議と「イヤ」な気分にはなりませんでした。
むしろ、「爽快さ」すら感じた程。

 

「イヤミス」なのに、読んでも「イヤ」な気分にならない。
ということは、「自分はイヤな人間なのか?」と思わせてしまう不思議な作品です。

日頃の違和感と主人公への共感

主人公の教師がホームルームで生徒に語るシーンがあります。

『道を踏み外して、その後更正した人よりも、
 もともと道を踏み外すようなことをしなかった人のほうがえらいに決まっています。』

その通り!

 

熱血先生が授業時間を割いて不良生徒に人の道の話をするのは「正しいこと」とされています。しかし、その裏には、その話につき合わされている真面目な生徒達がいます。

 

決して熱血先生ではない主人公は、この生徒達に目を向けています。

 

大多数の人は「もともと道を踏み外すようなことをしなかった人」ではないでしょうか。
少しぐらい踏み外すことはあっても、大きくは踏み外さない人がほとんどだと思います。

 

  • けれど、評価されるのは「道を踏み外した人」
  • 昔、悪かった人のほうがイイ人という価値観
  • ルールを守るのは堅物であるかのような考え

 

日ごろ感じていた違和感が、主人公のセリフで救われたと感じるのは私だけでしょうか?

感じてしまう爽快感

世の価値観では、このストーリーで「爽快感」を感じてはいけないことは分かっています。
ただし、いけないとは分かっていながら「感じてしまう」爽快感が、この小説の魅力です。

 

きれいごとでは、被害者は救われない。

 

不条理な仕打ちを受けたことのある人なら、そう感じるのではないでしょうか?

 

殺人は極端な例としても、不条理な被害を受けることは日常で多々あります。

  • 「これもいい勉強だと思って」
  • 「復讐しても自分が苦しむだけだよ」
  • 「まぁ、事故だと思ってあきらめるしかない」

 

被害を受けたものにとっては、そんな言葉は何の慰めにもなりません
また、正当な方法で被害を訴えても、とても痛みは癒されません。

 

私も、そんな気分になる出来事がありました。
それだけに、この小説にハマってしまいました。

 

最後の章は何度か読み返して、その度に「スカッと」しています。
(そんな「爽快感」は感じてはいけないと思いながら…)

 

復讐してやりたい」と思う相手がいる人は、この小説を読んでみてはいかがでしょうか?
少なくとも、私は少し気分が晴れました

 

 


告白

 

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